2010年4月21日水曜日

新刊書について

3月31日付で以下の本が出版されました。

猪飼周平『病院の世紀の理論』有斐閣
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4641173591/

これは、原稿を抱えて有斐閣の編集担当の方から逃げ回ったり、学内出版助成の期限に間に合わなかったりと、さまざまな粗相の末に納めた「年貢」です。

「病院の世紀の理論」については、2005年の時点で、佐口和郎・中川清[2005]『福祉社会の歴史 伝統と変容』ミネルヴァ書房の第1章(「近代日本医療史における開業医の意義」)に書いたこともあり、一部では見知っておられた方もあったようですが、全体構想については、これまで公に提示するに至っていませんでした。その意味では、本書をもってようやく私がこれまで何を考えてきたのかをひとまとまりのものとして示すことができました。

出版に際して、有斐閣担当者から『病院の世紀』の方がよいのではないかと提案されたのですが、敢えて本書のようなタイトルとしました。その理由は第1章を読んで頂ければ分かって頂けると考えています。

また、本著に先だって小文ですが、『現代思想』に書いたものも出ました。これは本書のインプリケーションを政策論に引き寄せて書いたものです。

猪飼周平「海図なき医療政策の終焉」『現代思想』2010年3月号

1 件のコメント:

  1. 病院の世紀の理論の序章を読んだだけです。
    「日本の医療を変える」あるいは「日本の医療を守る」いくつかの勉強会に参加していますが、まだ何も見えていません。
    明治に入った時に行われた医療のシステムの構築が欧米と違ったかたちで進んだと思うのです。英米との比較から入っておられるので、難しそうですがよろめきながらでも読むかと思っています。
    医療の中に居る人間にとっては、「治療医学の有効性」は高くなったように見えるだけで、病気をなせるようになったとは言えないし、医療が新しい病気を作り出しって居るのではないかと思います。

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